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がん:miR-200sがSec23aを直接標的とすることは
がん細胞のセクレトームに影響を与え、転移増殖を促進する

Nature Medicine 17, 9 doi: 10.1038/nm.2401

Eカドヘリン発現や上皮間葉移行の調節におけるmiR-200sの役割は十分解明されているが、その転移増殖に対する影響については論争が続いている。我々は乳がん転移の臨床モデルと実験的モデルを用いて、miR-200sが転移促進的な役割をもつことを見いだした。これはEカドヘリン発現や上皮表現型の調節以外の機能である。miR-200sの過剰発現は、乳がんの転移リスク増大と関連しており、マウスモデルでは転移増殖を促進する。これは、Eカドヘリン発現だけでは再現できない表現型である。ゲノム解析およびプロテオーム解析から、miR-200を過剰発現させると、全体的な遺伝子発現パターンが、転移性の高い細胞の遺伝子発現パターンに近づいていくことが明らかになった。miR-200sが転移増殖を促進する一因は、Igfbp4やTinagl1などの転移抑制性タンパク質の分泌を仲介するSec23aを直接の標的とすることであり、これは機能相関研究と臨床的な相関研究により確認された。まとめるとこれらの知見は、Eカドヘリン依存性の上皮細胞形質や、Sec23aを介する腫瘍細胞セクレトームへの影響によって、miR-200sが転移増殖の促進に多面的な役割を果たしていることを示唆している。

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