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アルツハイマー病治療:酵素BACEを掌中に収める?

Nature Medicine 17, 8 doi: 10.1038/nm0811-932

ヒトの寿命は延び続けている。そのため、アルツハイマー病の罹患率も上昇し続けており、この悲惨な病態の進行を遅らせたり止めたりできる革新的な治療法の必要性が高まっている。βアミロイド(Aβ)前駆体タンパク質β部位切断酵素のBACEはアルツハイマー病関連ペプチドであるAβの産生を開始させるが、この酵素はその発見以来、アルツハイマー病の治療標的として最も盛んに研究されているものの1つとなっている。ジェネンテック社のR Wattsたちは、この酵素を標的とするのに、二重特異性抗体という手法を使っている。この手法によれば治療用抗体を血液脳関門を通過させて送り込むことができる。この二重特異性抗体は、BACE1に対する単一特異性抗体よりも効果的に脳内Aβ量を低減させた。この標的攻撃法は、ほかの神経疾患の治療にも適用できる可能性がある。この研究がアルツハイマー病治療にどんな意味をもつのかを、3人の専門家に尋ねた。

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