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感染症:重症となるパンデミックインフルエンザ(H1N1)2009感染症は病原性免疫複合体に起因する

Nature Medicine 17, 2 doi: 10.1038/nm.2262

世界規模の流行を起こすようなインフルエンザウイルスは、共存疾患がない中年成人に重い症状を引き起こすことが多い。この年齢層でみられる重篤な症状に関連する疾患機序については十分に解明されていない。今回我々は、2009 H1N1インフルエンザウイルスと交差反応するが、このウイルス感染を防御することがない既存の血清抗体が、中年成人に存在することを見いだした。この非防御的抗体は、感染後の免疫複合体を介した症状にかかわっている。重症患者では、H1-2009抗原に対して低親和性で高い力価の血清抗体、および同じタンパク質に対する低親和性免疫複合体が肺で検出された。さらに、死亡例では免疫複合体を介する補体活性化のマーカーであるC4d沈着が肺切片で認められた。1957年の H2N2インフルエンザ感染による死亡と確認された中年成人から集められた肺切片によって、同様の疾患機序が明らかになった。これらの知見は、インフルエンザの世界的流行時にみられた重症例の特異な年齢分布に対する、以前には知られていなかった生物学的機序を示している。

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