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遺伝子治療:T細胞受容体遺伝子治療のマウスモデルでみられる致死性の移植片対宿主病

Nature Medicine 16, 5 doi: 10.1038/nm.2128

T細胞受容体(TCR)遺伝子の導入は、内在性T細胞が十分に反応しない特定の抗原に対する免疫反応の誘導に使われることがある。この手法はTCR遺伝子治療と呼ばれ、腫瘍や病原体を標的とするように開発されて、がん患者で臨床試験が始まっている。本研究では、TCR遺伝子治療のマウスモデルでは、臨床試験の設定を厳密に模倣した条件下で、サイトカインが駆動する致死性の自己免疫性病変が起こることがあるのを示す。TCR遺伝子改変T細胞で起こる、導入されたTCR鎖と内在性TCR鎖の対形成が、自己反応性TCRの形成につながり、これが観察された自己免疫の原因であることがわかった。さらに、遺伝子治療用ベクターと標的T細胞集団の設計調整により、TCR遺伝子治療が誘導する自己免疫性病変のリスク低下が可能なことが実証された。

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