Review

予測通りの痛みを得る:ヒトでのプラセボおよびノセボ効果と再評価効果の作用機序

Nature Medicine 16, 11 doi: 10.1038/nm.2229

疼痛の知覚は、強力な影響を受けると変化する。こうした影響が、神経解剖学的および神経生物学的レベルで伝達される仕組みの解明は、貴重な情報をもたらしてくれる。このような情報は、治療に際して正の影響をうまく使い、負の影響を最少限に抑えるのに直接影響するし、新しい鎮痛薬の開発に際して臨床試験の設計を最適化するのにも役立つ。これは特に、プラセボおよびノセボ効果に関連がある。新しい研究成果は、プラセボおよびノセボ効果が生じる仕組みやこうした効果の規模の変化に影響する生物学的および心理学的因子についての解明を進めるのに直接役立っている。これらの知見は、きわめて重要な脳領域の異常な働きが、正常な治療環境にあってさえ鎮痛処理の転帰に影響を及ぼしている可能性がある慢性疼痛状態などの疾患に関連してくる。

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