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心疾患:ERK1/2の新型の自己リン酸化は心肥大を引き起こす

Nature Medicine 15, 1 doi: 10.1038/nm.1893

細胞外シグナル制御キナーゼであるERK1およびERK2(一般にERK1/2とされる)は心肥大に重要な役割を担っている。ERK1/2は、活性化ループのTEYモチーフがマイトジェン活性化タンパク質キナーゼキナーゼ1(MEK1)およびMEK2(一般にMEK1/2とされる)依存的リン酸化を受けると活性化されるが、ERK1/2が特異的基質を標的として選択する仕組みはよくわかっていない。本論文では、ERK1/2のThr188の自己リン酸化によって、心肥大を引き起こすと知られている核内標的のERK1/2によるリン酸化が誘導されることを示す。Thr188の自己リン酸化には、Raf-MEK-ERKキナーゼカスケード全体の活性化と集合、TEYモチーフのリン酸化、ERK1/2の二量体形成、および活性型Gqから放出されるGタンパク質βγサブユニットへの結合が必要である。ERK1/2のThr188のリン酸化は、肥大成長を誘導した単離心筋細胞、Gq共役型受容体刺激後あるいは大動脈結紮後のマウス、およびヒト不全心で観察された。ERK2のThr188リン酸化部位に変異が生じたトランスジェニックマウスモデルを使った実験から、この部位が心肥大の原因に関係することが示唆された。我々は、ERK1/2の特定部位のリン酸化が上流の異なるシグナル(Raf1-MEK1/2あるいはGタンパク質共役型受容体-Gq)を統合することで、心肥大が誘導されると考える。

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