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心肥大:Hdac2はGsk3βの活性の調節により心肥大応答を制御する

Nature Medicine 13, 3 doi: 10.1038/nm1552

成人の心臓では、さまざまなストレスにより、筋細胞の肥大および心不全に関連して胎児型遺伝子プログラムの再発現が誘導される。本論文では、ヒストンデアセチラーゼ2(Hdac2)が、胎児型心臓の多数のアイソフォームの発現を制御していることを示す。Hdac2の欠損またはヒストンデアセチラーゼ(HDAC)の化学的阻害は、胎児型遺伝子の再発現を防止し、肥大刺激に曝された心臓の肥大を軽減させた。肥大に対する耐性は、イノシトールポリリン酸-5-ホスファターゼf(Inpp5f)をコードする遺伝子の発現増加と関連しており、この発現増加はAkt(thymoma viral proto-oncogene)およびPdk1(3-phosphoinositide-dependent protein kinase-1)の不活化を通してGsk3β(glycogen synthase kinase 3β)の構成的活性化を惹起した。これに対し、Hdac2トランスジェニックマウスではGsk3βの不活化と関連して肥大が増大した。Hdac2欠損成体では、活性化Gsk3βの化学的阻害により肥大刺激に対する感受性が上昇した。本研究の結果は、心臓のHdac2はHDAC阻害剤の重要な分子標的であり、Hdac2およびGsk3βが制御経路の構成要素であって、心肥大および心不全の治療におけるよい治療標的となることを示している。

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