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免疫:静注免疫グロブリンは樹状細胞上の活性化型Fcγ受容体を介してITPを改善させる

Nature Medicine 12, 6 doi: 10.1038/nm1416

自己免疫疾患における静注免疫グロブリン(IVIg)の有効性は20年以上も前から知られているのにもかかわらず、その分子標的および細胞内標的はいまだに不明である。本論文では、自己免疫におけるIVIgの広く認められている作用とは逆に、IVIgは活性化型Fcγ受容体(FcγR)を介してシグナル伝達を促すことにより、マウスの免疫性血小板減少性紫斑病(ITP)の病状を改善していることを示す。ITPは105という少ない数のIVIg処理細胞の養子移入により改善されるため、IVIgを実際に投与する必要はなかった。FcγRIIBはIVIg作用の後期段階にかかわっているが、IVIgはイニシエーター細胞上の阻害性FcγRIIBとは相互作用を示さなかった。また、IVIgで処理されたCD11c+樹状細胞のみがこのような改善を仲介できたことは注目すべきである。我々は、IVIgがin vivoで可溶性免疫複合体を形成し、これが樹状細胞制御活性のプライミングを行うと考える。ITPの改善におけるIVIgの臨床効果には、IVIgと樹状細胞上の活性化型FcγRの迅速な相互作用が関係しているらしい。

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