Technical Report

臓器移植:膵島移植片生着をin vivoで判定するための定量的マイクロPET画像化法

Nature Medicine 12, 12 doi: 10.1038/nm1458

膵島移植は1型糖尿病の治療手段として魅力ある方法の1つだが、移植された膵島には大幅な量的減少がみられる。現在のところ、膵島量の見積もりは、血中のC-ペプチド値およびインスリン値を測定することで間接的にのみ可能である。しかし、膵島移植を受けた患者を追跡調査するには、この種の見積もり法では感度もしくは再現性が不十分である。今回我々は、9-(4-[18F]-フルオロ-3-ヒドロキシメチルブチル)グアニン([18F]FHBG)-陽電子放出断層撮像(PET)技術を用いて、糖尿病モデルNODマウスで1カ月間にわたって膵島移植片の生着状況を評価できたことを報告する。この場合のPETシグナルは移植膵島のインスリン分泌能を表している。ウイルス性インターロイキン10(vIL-10)をコードする遺伝子の発現は、PETスキャン時にリアルタイムで計測した。さらに我々は、臨床上好ましい移植部位である肝臓に移植した膵島を視覚化することにより、この手法の臨床的可能性を検討した。結論として、定量的in vivo PET画像化法は、移植膵島生着を延長させるプロトコルの開発を進めるための有効な手法であり、ヒト移植片の追跡にも使える可能性があることがわかった。

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