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脳出血:活性化プロテインCは組織プラスミノーゲンアクチベーターによって引き起こされる脳出血を阻害する

Nature Medicine 12, 11 doi: 10.1038/nm1498

虚血性脳卒中に対して組織プラスミノーゲンアクチベーター(tPA)による治療を行った際に見られる重大な合併症の1つは脳出血である。活性化プロテインC(APC)は血漿セリンプロテアーゼで、全身性の抗凝固作用、抗炎症作用、抗アポトーシス作用、および血管や神経の直接的な保護作用をもつ。本論文では、齧歯類での一過性の脳虚血や塞栓性脳卒中の後にtPAによって起こる脳出血をAPCが防止することを報告する。APCはin vivoおよびin vitroの虚血脳内皮でプロテアーゼ活性化受容体1を介して作用し、出血性をもつtPAが誘導するNF-κB依存性のマトリックスメタロプロテアーゼ9経路を阻害することがわかった。今回の結果は、APCはtPAが原因の出血を軽減させることにより、卒中に対する血栓溶解療法をある程度改善する可能性を示している。

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