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白血病:CD44の標的化によるヒト急性骨髄性白血病幹細胞の根絶

Nature Medicine 12, 10 doi: 10.1038/nm1483

急性骨髄性白血病(AML)患者の長期的な生存率はあまりに低い。AMLの完治には、白血病性クローン階層構造を作りだし、維持することができる唯一の細胞種である白血病性幹細胞(LSC)の除去が必要である。今回我々は、細胞接着にかかわる分子であるCD44に対する活性型モノクローナル抗体を使った治療法について報告する。非肥満糖尿病性の重症複合型免疫不全マウスにヒトAMLを移植し、次いで上記抗体をin vivoで投与したところ、白血病性再増殖が大幅に低下した。継代移植を受けたマウスで白血病が見られなかったことから、AML LSCが直接の標的であることが証明された。幹細胞を維持する微小環境ニッチへの移動の妨害やAML-LSCの運命変更などがこの根絶の基盤機構であり、これはCD44がAML LSCの重要な制御因子であることを示している。AML LSCが幹細胞としての性質を維持するにはニッチとの相互作用が必要であるとの知見は、静止期AML LSCを除去するための治療的戦略を与えるものであり、また他の癌幹細胞にも適用可能と思われる。

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