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上皮性卵巣癌の系譜逸脱は生殖管の領域 特性を特定するHOX遺伝子群により制御 されている

Nature Medicine 11, 5 doi: 10.1038/nm1230

上皮性卵巣癌(EOC)は、卵巣表面をおおう単層上 皮または嚢胞から発生すると考えられてきたが、 EOCの主な亜型は生殖管のミュラー管由来上皮に似 た形態学的特徴を示す。今回、本来ミュラー管の分 化を制御しているHOX遺伝子群は、正常な卵巣表層 上皮(OSE)では発現されないが、さまざまなEOC 亜型で癌のミュラー管様の分化パターンに応じて発 現されていることを見出した。発癌性マウスのOSE 細胞でHoxa9遺伝子を異所的に発現させると、漿液 性のEOCに似た乳頭腫瘍が発生する。これに対し、 Hoxa10およびHoxa11は、それぞれ子宮内膜様お よび粘液性様のEOCで見られる形態形成を誘導する。 H o x a 7 は系譜特異性を示さないが、H o x a 9Hoxa10およびHoxa11のそれぞれの経路に従った 分化誘導能を亢進する。したがって、EOCのもつ形 態学的多様性およびミュラー管様の特徴は、生殖器 官のパターン形成を制御する分子プログラムの不適 切な活性化によって説明できると思われる。

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