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MRI:in vivo磁気共鳴画像法用の新しい導入遺伝子レポーター

Nature Medicine 11, 4 doi: 10.1038/nm1208

我々は今回、被験者の体内での導入遺伝子の発現を磁気共鳴画像法(MRI)を使って視覚化するための新しいプラットフォーム技術を報告する。まず、MRIレポーターとしてフェリチンファミリーの金属タンパク質を、ベクターを使って宿主の特異的組織に導入した。このレポーター分子は、細胞が生体から内在性の鉄を隔離する際に超常磁性となる。この新手法では、ベクターで導入した遺伝的指令を受けて、細胞がin situでMRI造影剤を構築することになる。体外からの金属複合体造影剤は不要で、そのため細胞内送達が容易になる。我々は、複製能を欠損したアデノウイルスベクターを使ってフェリチン導入遺伝子を送達した。マウスの脳にベクターを局所に絞って接種したのち、in vivo微速度撮影MRIでレポーターの活性をモニターしたところ、数週間にわたって、ウイルスが導入されたニューロンやグリア細胞でしっかりとした造影が得られた。この技術は、in vivo条件下で各種組織の導入遺伝子発現をモニターするのに適用でき、また、病状発現前の治療的遺伝子送達の視覚化など多方面の生物医学に応用できる。

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