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骨リモデリング:足場分子Gab2はRANKシグナル伝達と破骨細胞の形成に重要な成分である

Nature Medicine 11, 4 doi: 10.1038/nm1203

骨の形態形成とそのリモデリングには骨芽細胞による骨基質の形成と、破骨細胞による骨吸収の両方がかかわっている。破骨細胞の活性変化が原因の骨リモデリングの欠陥は、多数の骨減少性疾患の原因となる。NF-κB活性化受容体(RANK)とそのリガンドRANKLは、破骨細胞の分化と骨リモデリングにかかわる必須の因子であることが突き止められているが、その作用機作と、そこにかかわる因子の性質は十分に解明されていない。本論文では、アダプター分子であるGrb2-associated binder-2(Gab2)がRANKと会合し、RANKが誘導するNF-κB、AktおよびJnkの活性化を仲介することを報告する。マウスでGab2をコードする遺伝子を不活化すると、破骨細胞の分化に欠陥が生じるために、大理石病の発症や骨吸収の低下が見られるようになる。また、Gab2はヒトでも破骨前駆細胞が破骨細胞へと分化する過程で重要な役割を果していることがわかった。したがって、Gab2はRANKシグナル伝達経路を選択的に制御し、破骨細胞の形成と骨の恒常性に必須の重要な新規調節性足場分子であることが確認された。

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