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免疫:移植片対宿主病における宿主反応性CD8+メモリー幹細胞

Nature Medicine 11, 12 doi: 10.1038/nm1326

移植片対宿主病(GVHD)は、宿主組織の傷害を惹起する同種反応性のドナーT細胞によって引き起こされる。GVHDは数週間もしくは数ヶ月にわたって進行するが、この免疫応答が長期にわたって維持される仕組みについてはわかっていない。我々は、ヒトGVHDのマウスモデルで、分裂終了型のCD44loCD62LhiCD8+T細胞という新しい細胞集団を見いだした。この細胞は自己複製を行う一方で、セントラルメモリーT細胞、エフェクターメモリーT細胞およびエフェクターCD8+T細胞を含む、GVHD反応にかかわるすべての同種反応性T細胞集団を作り出して維持する。この細胞はSca-1、CD122およびBcl-2を発現しており、二次レシピエントに移入するとGVHDを誘導する。この分裂終了型のCD44loCD62LhiCD8+T細胞は、GVHの発症期間を通して存続し、同種抗原と樹状細胞に応答して初期の段階で生じて、インターロイキン15を必要とする。したがって、この細胞は、その長い寿命、自己複製能力および多分化能から、メモリー細胞の幹細胞候補であると考えられる。メモリー幹細胞はGVHDを含む多様な慢性免疫反応を解明し、それを抑える際の重要な標的となろう。

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