Research press release

グリーンランドの氷河の流出加速は一時的なものか?

Nature Geoscience

Is the acceleration of Greenland’s glaciers short-lived?

グリーンランドの溢流氷河で最近観測された急激な後退は、気候変化に対する一時的な応答であった可能性があるとする考え方がNature Geoscience(電子版)に発表される研究で示されている。したがって、最近のグリーンランドでの氷量減少速度の上昇をもとにした将来予測をすべきではないということになる。

今回、F NickとA Vieliらの研究チームは、グリーンランドのヘルヘイム氷河の後退や薄化、加速を再現する氷河流動の数値モデルを示している。その研究成果からは、グリーンランドの溢流氷河が、海側の先端での変化に非常に敏感で、極めて急速に順応することが示唆されている。

グリーンランドのいくつかの氷河が気候変化に対して示した同期的な挙動は、このメカニズムによって説明できるかもしれない。また、このメカニズムは、グリーンランドの氷河での氷量減少という観測結果が、より長期的な氷床の質量収支にとっての信頼できる尺度ではないことを暗示している。

The dramatic retreat observed recently in Greenland’s outlet glaciers could be a transient response to climatic changes, suggests a study online in Nature Geoscience. Recent increases in the rates of mass loss from Greenland should therefore not be extrapolated into the future.

Faezeh Nick, Andreas Vieli and colleagues present a numerical ice-flow model that reproduces the retreat, thinning and acceleration of Helheim Glacier, Greenland. Their results suggest that Greenland’s outlet glaciers are very sensitive to changes at their seaward end, and adjust extremely rapidly.

Such a mechanism could explain the synchronous behaviour of several Greenland glaciers in response to climatic changes, and implies that the observed loss from Greenland glaciers does not provide a reliable measure for the longer-term mass balance of the ice sheet.

doi: 10.1038/ngeo394

「注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したプレスリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。

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