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転写因子:転写因子レベルの正確な調節から明らかになった遺伝子量感受性の根底にある特徴

Nature Genetics 55, 5 doi: 10.1038/s41588-023-01366-2

転写調節は広範なロバスト性を示す一方で、ヒト遺伝学では転写因子(TF)の遺伝子量に対する感受性も示されている。このような観察結果に整合性を持たせるには、形質に関連する範囲でTFの遺伝子量効果を定量的に研究することが必要だが、これまでのところ、そうした研究はほとんど行われていない。TFは、頭蓋顔面形態における正常な範囲の変化と疾患に関連した変化の両方で、中心的な役割を担っている。そこで我々は、ヒトの顔面前駆細胞でTF量を詳細に調節する方法を開発し、頭蓋顔面の変化や疾患(ピエール・ロバン・シーケンス:PRS)に関連する転写因子であるSOX9に適用した。ほとんどのSOX9依存的な調節配列は、SOX9遺伝子量の軽度の減少に対して緩衝されているが、SOX9が主要な転写因子として直接調節している調節配列では、SOX9遺伝子量に対する感受性の増大が見られ、これらの調節配列の応答は、遺伝子発現応答を部分的に予測する。感受性の増大している調節配列と遺伝子は、機能的な軟骨形成とPRS様の頭蓋顔面形状の変化に選択的に影響を及ぼしている。このような調節配列と遺伝子の存在が、特定の表現型がTF遺伝子量に対して感受性を持つ理由であり、一方で、他の遺伝子では緩衝作用があるために、遺伝子量と表現型のロバストで非線形の関係が生じると考えられる。

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