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心疾患:心繊維化に関与するユニークな繊維芽細胞の亜集団が2段階遺伝学的追跡法により明らかになる

Nature Genetics 55, 4 doi: 10.1038/s41588-023-01337-7

重篤な心臓損傷を受けると、繊維芽細胞が活性化されて過剰な増殖による瘢痕が形成され、心機能の低下が引き起こされ、最終的に心不全に至る。しかし心繊維化の過程では、心臓の繊維芽細胞に活性化や増殖の程度や機能のレベルに不均一性があるのかどうかは不明である。今回我々は、2つのリコンビナーゼを用いた2段階遺伝学的細胞系譜追跡法により、圧過負荷に対して心内膜由来の繊維芽細胞が選択的に増殖・拡大したことを示す。繊維芽細胞特異的な増殖を追跡すると、損傷後に活性化された繊維芽細胞の高度な局所的増加が明らかになり、そのパターンは心臓での心内膜由来繊維芽細胞の分布を反映していた。心内膜由来繊維芽細胞を特異的に除去すると、心繊維化が軽減され、圧過負荷損傷後の心機能低下が減少した。機序を解析すると、Wntシグナル伝達が心臓リモデリング中の心内膜由来繊維芽細胞の活性化と増加を促進することが分かった。本研究は、心内膜由来繊維芽細胞が、圧過負荷損傷後の重度の心繊維化の原因となる主要な繊維芽細胞亜集団であり、心繊維化Wntに対する治療標的となり得ることを明らかにしている。

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