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肝再生:二分化能を持つ移行状態の肝前駆細胞が肝再生に関与する

Nature Genetics 55, 4 doi: 10.1038/s41588-023-01335-9

重度の肝損傷が起きて肝細胞による再生が損なわれると、胆管上皮細胞(BEC)が機能的な肝細胞に分化転換できる。しかし、そのような条件的な組織幹細胞の能力を持つBEC亜集団や、分化転換を可能にする機構は分かっていない。本論文では、重度の肝損傷からの再生過程において、BECに由来して肝細胞に分化する「移行状態の肝前駆細胞(TLPC: transitional liver progenitor cell)」を見つけたので報告する。2段階遺伝学的細胞系譜追跡法を用いてTLPCを特異的に標識すると、TLPCは肝細胞に分化するか、再びBEC運命をたどるかのどちらかであることから、二分化能を持つことが分かった。機構的には、Notchシグナル伝達がBECからTLPCへの変換を調整し、Wnt/βカテニンシグナル伝達がTLPCから肝細胞への変換を調整することが分かった。まとめると我々の研究は、分化転換によって支えられる肝再生についての機能的および機構的な知見を提供する。

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