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腫瘍免疫:ヒト腫瘍においてネオエピトープの全体像を形作るMHC II免疫原性

Nature Genetics 55, 2 doi: 10.1038/s41588-022-01273-y

ペプチド-主要組織適合遺伝子複合体I(pMHC I)の物理的結合の予測が進歩しているにもかかわらず、機能的な免疫原性を持つネオエピトープを特定することはいまだ難しく、特にMHC IIについてそうである。本論文では、3万6000を超える免疫原性アッセイの結果を用いて、T細胞応答を可能にするpMHCの構造アライメントを行う方法を開発した。我々の方法は、さまざまなタイプの1200を超える腫瘍試料に適用された場合に、チェックポイント阻害に応答する、MHC IIおよびMHC Iに結合するネオエピトープを予測した。単一エピトープレベルで自発的に生じる免疫による選択を調べるために、100を超える免疫表現型を持つ9,000を超える未治療腫瘍において、2500万を超える変異についての頻度スペクトルを解析した。MHC II免疫原性は、免疫圧が高い条件、特にTCRがクローン性で、MHC II発現が高い腫瘍に対して、変異の頻度を特異的に低下させた。MHC Iネオエピトープについても同様の傾向が示されたが、特定のタイプの組織においてのみであった。まとめると、我々はMHC II拘束性の自発的あるいは治療によるT細胞応答が免疫選択を引き起こすことを報告する。

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