Technical Report

メタ解析:大規模な全ゲノム塩基配列決定解析における希少なバリアントとの関連についての検出力が高くスケーラブルで資源効率の高いメタ解析手法

Nature Genetics 55, 1 doi: 10.1038/s41588-022-01225-6

全ゲノム塩基配列決定/全エキソーム塩基配列決定(WGS/WES)解析のメタ解析は、複雑な表現型に関連する希少なバリアントを発見するためにサンプルサイズを大きくしなくてはいけないという課題に対して魅力的な解決策となる。希少なバリアントとの関連についての既存のメタ解析手法は、バイオバンク規模のWGSデータに適用するにはスケーラブルではない。本論文では、大規模なWGS/WES解析で希少なバリアントを検出するメタ解析を行う際に、高い検出力と資源を効率よく使える手法となるMetaSTAARを紹介する。MetaSTAARは、近縁関係と集団構造を解釈して、量的形質や二値形質の両方を解析でき、複数のバリアントの機能アノテーションを組み込むことによって、希少なバリアントの検出力を高める。TOPMed(Trans Omics for Precision Medicine)プログラムの14の研究から得られた、さまざまな祖先系の3万138試料における4つの脂質形質のメタ解析から、MetaSTAARによって希少なバリアントのメタ解析を大規模に行うことで、プールしたデータを用いる場合と同等の結果が得られることが分かった。さらに、脂質形質と希少なバリアントとの条件付きで有意な関連をいくつか特定した。その上MetaSTAARは、TOPMed WGSデータと英国バイオバンクWESデータの約20万試料のメタ解析から、バイオバンク規模のコホートにまでスケーラブルで使用できることが実証された。

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