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多遺伝子リスクスコア:個人の多遺伝子リスクスコアの推定に含まれる大きな不確実性がPRSに基づくリスク層別化に影響を及ぼす

Nature Genetics 54, 1 doi: 10.1038/s41588-021-00961-5

多遺伝子リスクスコア(PRS)のコホートレベルの精度[個人レベルでのgenetic value(遺伝価)の推定]は広く評価されているが、PRSの不確実性についてはよく調べられていない。本研究では、ベイズ法によるPRSが一個人のPRSの分散を推定でき、事後サンプリングにより十分に較正された信頼区間が得られることを示す。英国バイオバンク(n = 291,273の血縁関係のない「白人の英国人」)の実際の13形質について、個人のPRS推定値の分散は大きいこと、また、これがPRSに基づく層別化の解釈に影響を及ぼすことが観察された。つまり、形質全体を平均すると、PRSポイント推定値が第9十分位数を超える人のうち、対応する95%信頼区間が完全に第9十分位数を超える人はわずか0.8%(s.d. = 1.6%)であった。我々は、SNP遺伝率、原因SNPの数、標本サイズの関数として、個人のPRS分散を予測するための解析推定量を示す。我々の結果は、個人のPRS推定値の不確実性をその後の解析で考慮することの重要性を示している。

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