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次元ゲノム:一細胞でのTADおよびクロマチンナノドメインへのゲノム組織化の調節

Nature Genetics 52, 11 doi: 10.1038/s41588-020-00716-8

ゲノムは核内で階層のある3次元構造に折りたたまれる。染色体は、メガ塩基未満のスケールで、トポロジカルドメイン(TAD)を形成する。しかし、一細胞でTADがどのように折りたたまれるかは分かっていない。本論文では、超高分解能の顕微鏡を用いて、細胞集団の解析では得ることの難しい、TADの特徴を明らかにする。TADの構造とその境界における物理的分離は、個々の細胞間で異なっているが、ほとんどの細胞においてクロマチンの混合は、隣接するTAD間よりもTAD内で多く起こっていた。細胞分化の際に、TADの空間的分離はさらに増加する。TAD内で起こる相互作用は、コヒーシンとCTCFによって異なる機構を介して調節されることが多い。つまり、コヒーシンはクロマチンの接触と混合を引き起こすが、CTCFはTAD間の接触を防ぐよう働く。また、TADはナノドメインに細分割されていて、ナノドメインはCTCFあるいはコヒーシンを除去した細胞で持続するが、ヌクレオソームの接触が破壊されるとナノドメイン構造の構成が変化する。総合的にこれらの結果から、個々の染色体の折りたたみのための物理的基盤がナノスケールで示された。

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