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DNA複製と変異:DNA複製のFoSTeS/MMBIR機構によりヒトのゲノム、遺伝子、エキソンに複雑な再編成が起こる

Nature Genetics 41, 7 doi: 10.1038/ng.399

ヒトの脱ミエリン性の中枢神経系の病気と関連した複雑なゲノムの再編成を説明するために、DNA複製を基盤とした複製フォークの渋滞と鋳型の交換の仕組み(FoSTeS)を最近提案した。FoSTeS機構はさらに一般化され、非常に短い相同性部分に起こるDNA切断に誘導された複製(MMBIR)モデルという分子機構の詳細が示された。この複製モデルは、すべての生物グループで、ゲノム構造にみられる多様性のもとになっていると思われる。本論文では、ヒトゲノムの数メガ塩基対から数百塩基対にわたる再編成がFoSTeS/MMBIRによって生じてくるという証拠を示す。さらにFoSTeS/MMBIRにより起こされる再編成は体細胞分裂により生じ、その結果、個々の遺伝子の重複や3倍化、さらに、単一のエキソンの再編成が起こることを示す。FoSTeS/MMBIR機構は、遺伝子の重複-分岐の仮説とエキソンシャフリングの両方を説明することができ、ゲノムや単一の遺伝子の進化に重要な役割を担っていることが示唆される。

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