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DNAメチル化:髄芽腫で何度も繰り返して起こる遺伝学的な出来事はヒストンのリジンのメチル化の制御に集中されている

Nature Genetics 41, 4 doi: 10.1038/ng.336

高分解度のSNP遺伝子型判定により、悪性の小児脳腫瘍である髄芽腫212例のゲノムを解析し、ゲノムの獲得あるいは喪失のある領域を同定した。15例の既知のがん遺伝子の局所的な増幅と20例のがん抑制遺伝子(TSG)の局所的な欠失が見つかり、その大部分はこれまでに髄芽腫との関連が知られていなかった。特に、以前には見つけられていなかった増幅とホモ接合体の欠失を同定し、そのなかには繰り返し起こり、互いに排他的で、非常に局所的な遺伝的な出来事としては、ヒストンのリシンのメチル化、特にヒストン3のリシン9(H3K9)のメチル化を標的とする遺伝子にあった。翻訳後のヒストンタンパク質の修飾は、遺伝子発現にとって重要であり、幹細胞の運命の決定にかかわり、そしてがん化にかかわるとされている。このような遺伝的なデータとよくあって、H3K9メチル化を制御している遺伝子の発現を回復させると、in vitroでは髄芽腫の増殖を大きく減退させる。ヒストンのリシンの、特にH3K9のメチル化の状態を書きこんだり、読みとったり、除去したり、妨害したりする重要な働きをもった遺伝子のコピー数の異常は、ヒストンコードの制御の欠陥が髄芽腫の病因にかかわっていることを示唆している。

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