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臨床的に重要な細胞タイプの高効率な導入遺伝子ノックイン技術

Nature Biotechnology 42, 3 doi: 10.1038/s41587-023-01779-8

導入遺伝子カーゴのノックインが非効率的であることは、細胞医療の可能性を制限している。本研究では、重要な遺伝子のエキソン内の部位を標的とするCRISPRヌクレアーゼを用いてカーゴの鋳型を設計することにより、正確なノックインによって重要な遺伝子の機能を維持しながら目的の導入遺伝子の組み込みも行われるようにした。非生産的な挿入や欠失を有する細胞は、負の選択を受けると考えられる。SLEEK(SeLection by Essential-gene Exon Knock-in)と名付けたこの技術は、長期的な生存率や増殖に影響を与えることなく、臨床的に重要な細胞タイプで90%以上のノックイン効率を達成した。T細胞のSLEEKによるノックイン率は、AAV6を用いる最先端のTRACノックインよりも効率が高く、非ウイルス性DNAカーゴでも効率は90%を超えた。臨床応用としては、CD16とmbIL-15のSLEEKノックインを有する人工多能性幹細胞から作製したナチュラルキラー細胞で、in vivoでの腫瘍殺傷能力と持続性の大幅な向上が認められた。

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