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アビディティーによる塩基配列解読は少量の試薬で高度な正確さを可能にする

Nature Biotechnology 42, 1 doi: 10.1038/s41587-023-01750-7

今回我々は、鋳型DNAに沿って進む過程と鋳型内の各ヌクレオチドを特定する過程を別々に最適化する塩基配列解読化学であるアビディティー塩基配列解読法(avidity sequencing)を紹介する。ヌクレオチドの特定は、色素標識したコアに付随する多価のヌクレオチドリガンドを用いて、標的DNAのクローンコピーに結合したポリメラーゼ–ポリマー–ヌクレオチド複合体を形成させる。アビダイト(avidite)と命名したこのポリマー–ヌクレオチド基質により、対象ヌクレオチドの必要濃度はマイクロモルからナノモルに低下し、解離速度も無視できるほど小さくなった。アビディティー塩基配列解読法の正確度は高く、1000 bp当たりのエラーが平均で1となるベースコールは96.2%、1万bp当たりでは85.4%であった。アビディティー塩基配列解読法の平均エラー率は、長いホモポリマーの後でも安定していることが示された。

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