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ナノポアRNA塩基配列解読法によるtRNAの存在量と修飾の定量解析

Nature Biotechnology 42, 1 doi: 10.1038/s41587-023-01743-6

転移RNA(tRNA)はタンパク質翻訳で中心的な役割を果たしている。その研究が困難なものとなっているのは、存在量と化学修飾を同時に定量化する簡便な方法が存在しないことが一因である。本論文では、ナノポアを用いて天然のtRNA群の塩基配列を解読するNano-tRNAseqという方法を紹介する。この方法では、tRNAの存在量と修飾動態の両方が1回の実験で定量的に推定される。ナノポア塩基配列解読のデフォルト設定ではtRNAリードの大部分が破棄されるため、解読の収量が上がらず、転写物の長さに基づいてtRNAの存在量が偏って表されることが明らかになった。未処理のナノポア電流強度シグナルを再処理すると、回収されるtRNAリードの数が12倍に増加し、正確なtRNA存在量の取りまとめが可能になった。そこで、Nano-tRNAseqを出芽酵母(Saccharomyces cerevisiae)のtRNA群に用いると、同一分子内の異なるtRNA修飾タイプの間のクロストークと相互依存に加えて、酸化ストレスに対するtRNA群の変化が明らかになった。

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