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ナノボディに基づく単一細胞CUT&Tagによるマルチモーダルなクロマチンプロファイリング

Nature Biotechnology 41, 6 doi: 10.1038/s41587-022-01535-4

数千個の細胞のヒストン修飾を単一細胞レベルで探索することが、単一細胞CUT&Tagなどの技術によって可能となっている。本論文では、ナノボディとTn5の融合タンパク質を用いて最大3種類のエピゲノムモダリティーの同時マッピングを単一細胞の分解能で可能にするnano-CUT&Tag(nano-CT)を紹介する。マルチモーダルなnano-CTは細胞数わずか2万5000~20万個の出発材料に対応し、感度と細胞1個当たりの断片数で単一細胞CUT&Tagを大きく上回る。nano-CTを用いて幼若マウス脳のクロマチン接近可能性、H3K27ac、H3K27me3の同時プロファイリングを行うと、単一モダリティーの単一細胞CUT&Tagを上回る数の細胞タイプと細胞状態が識別された。また、オリゴデンドロサイト系譜でATAC(assay for transposase-accessible chromatin)とH3K27acの間のクロマチン速度を推定し、H3K27me3の抑制状態のデコンボリューションを行ったところ、オリゴデンドロサイト系譜の分化進行の過程で、異なる遺伝子モジュールにH3K27me3抑制の2つの連続的な波が見いだされた。nano-CTは、高い分解能、多用途性、モダリティー多重性により、複雑な生物学的システムのエピジェネティック景観に関するまたとない手掛かりを単一細胞レベルで得ることができる。

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