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COVID-19パンデミックにおけるスマートフォンアプリ

Nature Biotechnology 40, 7 doi: 10.1038/s41587-022-01350-x

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的大流行)が始まった当初は、PCR検査用鼻咽頭スワブなどのアナログツールが主役で、マスクの着用やフィジカルディスタンスの確保という主な予防策は1918年のインフルエンザパンデミックの再来であった。総じて、デジタルツール、特にスマートフォンアプリを利用したツールがあまり顧みられていないことは、スマートフォンの世界的普及を考えると意外である。フィジカルディスタンス確保の時代にアクセスしやすいスマートフォンアプリは、COVID-19の感染者および接触経路の追跡や、公衆教育に広く利用された。データのプライバシーやセキュリティー、デジタルヘルスリテラシーの低さ、構造的不公平を巡る懸念など、制約はありながらも、アウトブレイク(集団発生)の疫学的理解、個別スクリーニング、および接触経路の追跡にアプリが有用であることを示すエビデンスは豊富にある。それぞれのカテゴリーには成功と失敗があったが、アウトブレイクの疫学と個別スクリーニングは、スマートフォンアプリおよび付属のウエアラブル機器の利用によって大幅に強化された。デジタルインフラの中でアプリを継続利用することは、現在のアウトブレイクおよび将来の流行のいずれでも、結果を厳密に調査するための重要なツールとなり得る。

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