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撮像に基づく空間トランスクリプトミクスにおける細胞のセグメンテーション

Nature Biotechnology 40, 3 doi: 10.1038/s41587-021-01044-w

in situ塩基配列解読または多重RNA蛍光ハイブリダイゼーションに基づく単一分子空間トランスクリプトミクスのプロトコルは、組織の詳細な構成を明らかにすることができる。しかし、そうしたデータで個々の細胞の境界を識別することは難しく、下流の解析の妨げとなることがある。従来の方法は、一般に核染色を用いて細胞の配置の近似を行っている。本論文では、転写の構成と細胞の形態との結合尤度を考慮して二次元または三次元の細胞境界を最適化する、Baysorというセグメンテーション法を紹介する。Baysorは、共染色に基づくセグメンテーションを考慮に入れることが可能であるが、検出された転写物のみに基づいてセグメンテーションを行うこともできる。性能を評価するために、我々はMERFISH(multiplexed error-robust fluorescence in situ hybridization)を拡張し、細胞境界の免疫染色を取り入れた。これをはじめとする基準を用いることにより、Baysorのセグメンテーションが、既存のツールとの比較で、セグメンテーションのアーティファクトを減らしながら、場合によっては細胞数をほぼ倍増させ得ることが示された。Baysorは、5つの異なるプロトコルを用いて得られたデータで良好に機能し、撮像に基づく空間トランスクリプトミクスの解析に有用な汎用的ツールであることが示された。

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