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合成と選択による多重オリゴヌクレオチドライブラリーの精製

Nature Biotechnology 40, 1 doi: 10.1038/s41587-021-00988-3

複雑なオリゴヌクレオチド(オリゴ)ライブラリーは、合成生物学、製薬、ナノテクノロジー、DNAデータストレージのさまざまな用途に不可欠な材料である。しかし、複雑なオリゴライブラリーの合成はエラー率が高い場合があり、利用のコストと労力の増大につながる。合成エラーには挿入と欠失の誤りによるものが極めて多いことから、我々は、長さが必ずしも同一ではないオリゴを含む複雑なライブラリーを長さに基づいて一塩基の分解能で精製する方法を開発した。MOPSS(multiplex oligonucleotide library purification by synthesis and selection)と称するこの精製法は、逐次的な手作業か次世代シーケンサーの使用のいずれかによって実施できる。同じ長さのオリゴを含みデジタルデータをコードするライブラリーにこの方法を応用したところ、完全長オリゴの純度が83%から97%に高まった。3通りの長さの相補性決定領域H3をコードするライブラリー(実験で到達した多様性 > 106)がワンポットで同時に精製されることも示され、インフレームのオリゴの比率に49.6%から83.5%への改善が見られた。

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