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多重試料および単一細胞の遺伝子調節エレメントの拡張表示バイサルファイト塩基配列解読

Nature Biotechnology 39, 9 doi: 10.1038/s41587-021-00910-x

DNAメチル化の生物学的役割は、全ゲノム塩基配列解読または簡約表示バイサルファイト塩基配列解読に基づくプロファイリング法によって明らかにされてきたが、そうした方法では哺乳類ゲノムの莫大な数の非コード調節エレメントを効率的に調べることができない。本論文では、DNAメチル化の選択的なプロファイリングを行う拡張表示バイサルファイト塩基配列解読法(extended-representation bisulfite sequencing;XRBS)を紹介する。今回の設計では、調節エレメントのカバー範囲の拡大と、プロモーター、エンハンサーおよびCTCF結合部位の情報に富むCpGジヌクレオチドの再現性の高い濃縮とをうまく両立させた。バーコード化されたDNA断片をバイサルファイト変換の前にプールすることで、少量の試料の多重処理と技術的一貫性が実現された。XRBSを白血病の単一細胞に応用することで、個々の細胞の遺伝子コピー数多型とメチル化多様性を評価することができた。今回の分析から、ヘテロクロマチンのH3K9me3領域は細胞間のメチル化多様性が最も高いことが明らかになった。これは、採取細胞間の細胞周期段階の違いによって複雑化しているこの複製の遅い領域の本来的なエピジェネティック不安定性を反映していると考えられる。

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