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ギガ塩基サイズのゲノムの選択的ナノポア塩基配列解読を可能にするreadfish

Nature Biotechnology 39, 4 doi: 10.1038/s41587-020-00746-x

ナノポア塩基配列解読装置を用いれば、個々のナノポアにかかる電圧を反転させて特定の塩基配列を排除することによってプール中の特定DNA分子の選択的な塩基配列解読を行うことができ、生物学的疑問に取り組むための濃縮と除去が可能となる。以前我々は、動的時間伸縮法を用いて参照ゲノムにシグナルをマッピングすることでそれを実現したが、この方法は大量の計算資源を必要とする上に、ギガ塩基サイズの参照配列に拡張することができなかった。今回我々は、グラフィック処理ユニット(GPU)の塩基コールを用いることによってこの限界を克服した。我々は、試料組成の予備知識なしに、ヒトゲノムの特定の染色体と混合細菌群中の低存在量生物が濃縮されることを示した。我々はまた、1万のヒト遺伝子とがんに関連する717の遺伝子に由来する、2万5600のエキソンからなる標的パネルを濃縮することにより、NB4細胞株のPMLRARA融合体を15時間以内に発見した。この方法を用いれば、特殊な試料調製を行わずに、任意のコンピューターと適切なGPUを用いてあらゆる標的遺伝子パネルを効率的にスクリーニングすることができる。このツールキットreadfishは、https://www.github.com/looselab/readfishで入手可能である。

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