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RNP-MaPによるRNA–タンパク質ネットワークの解析がRNA上の機能的ハブを明らかにする

Nature Biotechnology 39, 3 doi: 10.1038/s41587-020-0709-7

RNA–タンパク質相互作用ネットワークは多くの生物学的過程を制御しているが、包括的に調べることは困難である。我々は、単一のRNA分子に結合する複数のタンパク質の間の協同的相互作用をヌクレオチドの分解能でマッピングする生細胞の化学的探索法RNP-MaP(ribonucleoprotein networks analyzed by mutational profiling)を考案した。RNP-MaPは、ヘテロ二官能性架橋剤を用いて相互作用タンパク質をRNA上でそのまま固定し、リードスルー逆転写とDNA塩基配列解読によって単一RNA鎖上の複数の結合タンパク質をマッピングする。RNP-MaPによって、塩基配列は異なるが構造的に関連性のある2つのノンコーディングRNAであるRNase PとRMRPがRNPネットワークを共有していること、そしてネットワークハブがこうしたRNAの機能部位を定めていることが明らかになった。また、RNP-MaPによって、マウスとヒトのXIST長鎖ノンコーディングRNAの間で保存されているタンパク質相互作用ネットワークが特定され、結合部位がXISTの機能領域に共局在してネットワークを形成しているタンパク質群が明らかになった。RNP-MaPは、生細胞の長鎖RNA上の機能的タンパク質相互作用ネットワークの発見と効率的な検証を可能にする。

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