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RNA転写物を鋳型にした相同組換えによるイネの正確な遺伝子置換

Nature Biotechnology 37, 4 doi: 10.1038/s41587-019-0065-7

植物の遺伝子置換では、DNA二本鎖切断の相同組換え修復(HDR)のためにドナー修復鋳型(DRT)を核内へ効率的に送達することが大きな課題となっている。この問題は、転写物を鋳型とするHDR(TT-HDR)のためのRNA鋳型をin vivoで作り出すことによって克服される可能性があるが、一次転写物はプロセシングを受けて細胞質基質へ輸送され、HDRに利用されないことが多い。我々は、CRISPR–Cpf1(PrevotellaおよびFrancisella 1由来のCRISPR)を、リボザイムまたはCRISPR RNA(crRNA)標的のいずれかに隣接するDRTと併せて、リボザイムに隣接するcrRNAの並びに連結させると、一次転写物が生じ、それが自己プロセシングして核内にcrRNAとDRTが放出されることを明らかにした。我々は、組換えCpf1、crRNA、およびDRT転写物を含むがDNAを含まないリボ核タンパク質複合体を用いて、イネのアセト乳酸シンターゼ遺伝子(ALS)を変異型に置換した。また、TT-HDRを用いて、ALS遺伝子に2つの望ましい変異を持つ安定した系統を作製した。

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