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半数体誘導中の優良作物生殖質のワンステップゲノム編集

Nature Biotechnology 37, 3 doi: 10.1038/s41587-019-0038-x

CRISPR–Cas9によるゲノム編集を植物細胞で効率的に行うことはできるが、大多数の作物品種は確立された方法によってゲノム編集装置を導入することができない。我々は、半数体誘導(HI)の異常な生殖過程を用いて、さまざまな単子葉種および双子葉種の新生種子で編集を誘導した。HI-Editと命名したこの方法では、実用作物品種のゲノムを直接改変することができる。我々はHI-Editを、天然の半数体誘導系統を用いて飼料用トウモロコシおよびスイートコーンで検証し、改変CENH3 HI系を用いて双子葉類に展開した。トウモロコシ花粉によって導入されたCas9を用いることにより、編集を受けたコムギ胚も回収された。得られたデータは、トウモロコシのHIでは一過性の雑種状態が生じてから片親の染色体が放出されることを示している。編集を受けた半数体植物は、半数体誘導系統の親DNAと編集装置を共に欠いていた。従って、編集を受けた植物は形質の検討に使用可能であり、実用品種の開発にそのまま組み込むことが可能と考えられる。

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