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NFIAは多能性幹細胞から機能性ヒトアストロサイトへの迅速な誘導を可能とするグリア分化スイッチである

Nature Biotechnology 37, 3 doi: 10.1038/s41587-019-0035-0

ヒトの発生後期に生じるグリア分化の機構的基盤は、ほとんど解明されていない。今回我々は、核因子IA(NFIA)がヒトグリア分化能を誘導する分子スイッチであることを見いだした。従来のプロトコルを用いると3~6カ月かかるのとは対照的に、NFIAの一過的発現は、5日以内にヒト多能性幹細胞由来の神経幹細胞のグリア分化能を誘発し、この細胞をグリア分化促進因子の存在下でアストロサイトに転換するのに十分であった。NFIAで誘導されたアストロサイトはシナプス形成を促進し、神経保護作用を示し、適切な刺激に応答してカルシウム濃度変化を示し、成体マウス脳に生着した。分化には、迅速ながら可逆的なクロマチンリモデリング、グリア繊維性酸性タンパク質(GFAP)のプロモーターの脱メチル化、および細胞周期G1期の著しい延長が関与していた。G1期の長さを遺伝学的または薬理学的に操作すると、NFIAの機能が部分的に再現された。我々はこの方法を用いて、領域特異的または反応的な特徴を持つアストロサイトを作製した。本研究は、グリア分化スイッチの重要な機構を明らかにし、疾病モデルの作製および再生医療を目的とするヒトアストロサイトの迅速な生産を可能とするものである。

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