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PD-1を阻害するscFvをCAR T細胞で選択的に送達するとin vivoでの抗腫瘍効果が増強される

Nature Biotechnology 36, 9 doi: 10.1038/nbt.4195

治療にほとんど反応しない腫瘍に対するキメラ抗原受容体(CAR)T細胞療法の効果は、CAR T細胞を免疫チェックポイント阻害剤と組み合わせて投与することで増強できる。別の方法として、腫瘍微小環境でCAR T細胞の機能を高める因子を共発現するCAR構築物が作製されている。今回我々は、PD-1を遮断する一本鎖抗体(scFv)を分泌するようにCAR T細胞を改変した。このscFv分泌CAR T細胞は、傍分泌と自己分泌の両方で作用し、PD-L1+血液系腫瘍および固形腫瘍の臨床的に意味のある同種および異種マウスモデルで、CAR T細胞と腫瘍特異的バイスタンダーT細胞の抗腫瘍活性を向上させた。その効果は、CAR T細胞とチェックポイント阻害剤の併用療法による効果と同等、またはそれ以上であった。この方法では、分泌されたscFvが腫瘍に局所的に留まるためCAR T細胞がPD-1阻害から保護され、全身的なチェックポイント阻害に伴う毒性が回避される可能性があることから、安全性が向上すると考えられる。

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