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PubMedのコンピューターマイニングによって見出された疾患状態のサイトカインと細胞の免疫中心的ネットワーク

Nature Biotechnology 36, 7 doi: 10.1038/nbt.4152

サイトカインは免疫細胞などの細胞によって分泌および感知されるシグナル伝達分子であり、動的な細胞間コミュニケーションを可能とする。そうした相互作用に関しては膨大な量のデータが存在するが、その情報は収集や統合が行われておらず、簡単に検索することができない。今回紹介するimmuneXpressoは、免疫細胞間コミュニケーションに関する知識の組織化および標準化を行うテキストマイニングエンジンである。我々はimmuneXpressoをPubMedに応用し、数千種類の疾患に関して、340種類の細胞型と140種類のサイトカインの関係を明らかにした。この方法では、受信型の相互作用と発信型の相互作用を識別することが可能であり、相互作用の影響や関与する細胞機能も分かる。これらの因子には信頼スコアが割り当てられ、疾患と結び付けられた。このネットワークの広がりを活用することにより、過去に評価されていなかった細胞とサイトカインとの相互作用を予測し、実験的に検証した。また、免疫を中心として疾患の全体概要図を作製し、これを用いてサイトカインと疾患との関係を予測した。この標準化知識ベース(http://www.immunexpresso.org)は、免疫データの解釈およびモデル主導のシステム免疫学の新たな方向性を切り開くものである。

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