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ヒト細胞の自律的プロモーター活性の全ゲノム的マッピング

Nature Biotechnology 35, 2 doi: 10.1038/nbt.3754

塩基配列固有のプロモーター活性の特徴を体系的に評価するこれまでの方法は、比較的ロースループットおよび試験可能な塩基配列の長さに制約されてきた。本論文で紹介するSuRE(survey of regulatory elements)は、それぞれ0.2~2 kbサイズの108個を超えるDNA断片に関して、自律的に転写を生じさせる能力を分析する方法である。SuREでは、20 bpのバーコードの上流にあるランダムなゲノム断片のプラスミドライブラリーを構築し、それをペアエンド塩基配列解読法でデコードする。このライブラリーを用いて細胞のトランスフェクションを行い、転写されたRNAのバーコードをハイスループット塩基配列解読法で定量する。ヒトゲノムに用いると、55倍のゲノムカバー率が達成され、K562細胞で自律的なプロモーターの活性を全ゲノム的にマッピングすることができた。コンピューターモデリングにより、その活性に関連するプロモーター内の小領域が詳細に示された。我々は、アンチセンスプロモーターの転写が一般にセンスコアプロモーターの塩基配列に依存しており、多くのエンハンサーおよび複数ファミリーの反復エレメントが自律的な転写開始部位として働いていることを明らかにした。

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