Perspective

組織と臓器の3Dバイオプリンティング

Nature Biotechnology 32, 8 doi: 10.1038/nbt.2958

三次元(3D)プリンティングとも呼ばれる積層造形は、工学、製造、美術、教育、および医学など、多くの領域に大きな革新をもたらしている。最近の進歩により、生体適合性材料、細胞、および支持構成物を3Dプリンティングして3Dの複雑な機能性生体組織を作製することが可能になった。3Dバイオプリンティングは、移植に適した組織および臓器の要求に応えるべく、再生医療に応用されつつある。3Dバイオプリンティングには、非バイオプリンティングと比較すると、材料、細胞の種類、増殖因子および分化因子の選択のような複雑性が上乗せされており、生細胞の感受性および組織の構築に関連する技術的な問題もある。こうした複雑な事情に対処するには、工学、生体材料科学、細胞生物学、物理学、および医学分野の技術を組み合わせる必要がある。3Dバイオプリンティングはすでに、層状皮膚、骨、人工血管、気管副子、心臓組織、および軟骨構造体など、さまざまな組織の作製および移植に用いられている。他の応用法としては、研究、創薬、および毒性学のためのハイスループットで3Dバイオプリンティングされた組織モデルの開発が挙げられる。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度