Computational Biology

DNaseプロファイルの規模および形状のモデル化による方向性および非方向性の先駆的転写因子の発見

Nature Biotechnology 32, 2 doi: 10.1038/nbt.2798

本論文で紹介するタンパク質相互作用定量化法(PIQ)は、全ゲノム的なDNase I高感受性プロファイルの規模および形状をモデル化して転写因子(TF)結合部位を特定する電算的方法である。機械学習技術を用いたPIQでは、1回のDNase I高感受性解析に続いて配列解読を行う(DNase-seq)実験により、700種類以上のTFに関して結合部位が特定された。この方法の精度はクロマチン免疫沈降法に続いて配列解読を行う方法(ChIP-seq)と同等であった。本研究ではPIQを用い、前膵臓内胚葉および腸管内胚葉に分化するマウス胚性幹細胞から得たDNase-seqデータの解析を行った。我々は、クロマチンを動的に開く120種類の「先駆的」TFファミリーを特定し、8種類を実験で検証した。4種類の先駆的TFファミリーは、そのモチーフから1方向のみにクロマチンを開いた。我々はさらに、ゲノムとの結合が基本的に開いたクロマチンとの近接に支配されている「定着的」TFを発見した。今回の結果は、方向性および非方向性の先駆的活性によって定着的TFの結合に適したクロマチン地形が形成されるという階層的なTF結合モデルを支持している。

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