Review

弱毒化生ウイルスワクチン開発の合理化

Nature Biotechnology 28, 6 doi: 10.1038/nbt.1635

ウイルス性疾患に対するワクチンの設計は、この50年間で大幅に進化してきた。ウイルスを培養細胞で継代することによって作られた弱毒化生ウイルス(LAV)は、天然痘、ポリオ、麻疹、流行性耳下腺炎および黄熱などのさまざまなウイルス性疾患の予防に効果的な手段であることが証明されている。しかし、経験的な弱毒化は確実でない場合があり、LAVによる安全性の問題もいくつか生じている。不活化ウイルスおよびサブユニットワクチンによってこうした懸念の多くは緩和されているが、その効果は一般にLAVワクチンに及ばない。有害な遺伝子変異の作製、複製忠実度の操作、コドンの非最適化、およびマイクロRNAまたは亜鉛フィンガーヌクレアーゼによる制御といった分子ウイルス学の進歩は、ウイルスの複製および毒性を制御する新たな方法をもたらし、LAVワクチンへの関心を再び集めている。そのように合理的に弱毒化されたウイルスは、安全性が高く応用範囲の広い新世代のLAVワクチンをもたらす可能性があるが、それぞれの方法はヒトでの試験に進む前にさらに深く検討する必要がある。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度