Analysis

ヒト・パンゲノムの配列地図の作製

Nature Biotechnology 28, 1 doi: 10.1038/nbt.1596

本研究では、ヒト・パンゲノム構築への一歩として、アジア人およびアフリカ人ゲノムのde novoアセンブリー配列を、NCBI標準ヒトゲノムと結び付けた。そのアセンブリー配列には、標準ゲノムに存在しない新たな配列約5 Mbが発見された。利用可能なすべてのヒトDNA配列との比較、およびヒトゲノム多様性細胞株パネルを用いたPCRによる確認で、新たな配列の多くが個人または集団に特異的なものであることが明らかにされた。我々は、新たな配列のパターンが既知のヒトの移動経路と一致することを発見した。推定される遺伝子の種間保存解析から、新たな配列には機能コード領域が含まれていると考えられた。完全なヒト・パンゲノムには、現存の標準ゲノムに存在しない新たな配列が19〜40 Mb程度含まれるものと推測される。パンゲノムの遺伝的変異にはきわめて多くの新たな配列が寄与しており、完全なゲノム配列解読およびde novoアセンブリー配列の利用が重要であることが示された。

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