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対立遺伝子不均衡塩基配列解読法は一塩基多型がマイクロRNAによる抑制を高頻度で変化させていることを明らかにする

Nature Biotechnology 27, 5 doi: 10.1038/nbt.1540

2個体間の差を説明するのに役立つ遺伝子変化は、マイクロRNA(miRNA)に相補的な部位を生成したり破壊したりする可能性があるが、こうした多型部位がmiRNAによる抑制にどの程度影響しているのかは不明である。本論文では、一方の対立遺伝子から転写されるmRNAにみられながら他方から転写されるmRNAにはみられない調節部位に関するmRNAの対立遺伝子不均衡を測定する方法を紹介する。対立遺伝子不均衡塩基配列解読法と名付けたこの方法を3個のmiRNA(miR-1、miR-133およびmiR-122)に対する部位に適用すると、miRNAもその標的も変化させることなく、in vivoでの抑制を定量的に評価することができた。同種miRNAを発現している組織では多型部位の多くが抑制を媒介し、下方制御が部位の種類および前後関係と相関していた。以上の結果からこのほかの広く保存されているmiRNAを推定することにより、2種類のマウス系統(または2個人)を比較するとき、miRNAの多型部位によって多くの(数百にのぼることも多い)遺伝子の発現が変化していることが示唆された。

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