Article

短い汎用タイリングプローブによる迅速なゲノム配列解読

Nature Biotechnology 26, 6 doi: 10.1038/nbt1405

質の高い参照ゲノム配列が次々に利用可能となっていることで、個々のゲノムの配列の差を調べる方法が求められるようになった。本論文では、汎用タイリングプローブ群のハイブリダイゼーションを利用するDNA配列解読法を紹介する。何百万ものショットガン断片をin situで増幅し、短い蛍光プローブを用いて連続ハイブリダイゼーションを行った。200 bpという長い断片により、大きなゲノムでも特異的な配置が容易になった。この解読法は、酵素を用いない化学的に単純なもので、プローブの希釈液のみを使用するため、解読作業のコストが低減されて格段に高速化される。一般的に利用可能な装置を基本とする試作機でバクテリオファージλと大腸菌のゲノムを再解読すると、サンプル調製時のロスに起因する小さなギャップは相当数あったものの、320 Mbp/日という未補正処理能で99.93%を超える精度が得られた。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度