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標的部位のアクセスしやすさが有効なsiRNAの設計に与える影響

Nature Biotechnology 26, 5 doi: 10.1038/nbt1404

低分子干渉RNA(siRNA)はRNA誘導サイレンシング複合体(RISC)を形成し、相補的mRNAを切断する。有効性は不安定であるが、siRNAは遺伝子機能の評価に広く用いられている。その限界はRISCの形成および活性化の変動にも起因するが、標的部位のアクセスしやすさなど、RNA干渉(RNAi)経路の下流の事象は、これまで本格的に研究されたことがなかった。本研究では、siRNAと相互作用するための標的部位のアクセスしやすさを計算し、標的RNA構造がRNAiに及ぼす効果を網羅的に分析した。我々の観察をもとに、既知のsiRNA機能性基準を標的部位のアクセスしやすさと組み合わせることにより、新規のsiRNA設計ツールRNAxsが開発された。我々は、38遺伝子のsiRNA 573個からなるデータセット2組で我々の方法を検定し、別の4遺伝子を標的とする独立したsiRNA 360個セットを試験した。全体として、RNAxsは、有効性の高いsiRNAの予測を大幅に改善する確実なsiRNA選択ツールであることが確認された。

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