Analysis

遺伝子発現および薬物反応の大規模なデータを統合的に解析するモジュール法

Nature Biotechnology 26, 5 doi: 10.1038/nbt1397

現在、同一の生物学的試料から複数種類のデータを生み出す場合には、高処理能の技術が用いられている。こうしたデータを適切に統合するため、我々は対になったデータセットの整合的なパターンを示す共モジュールの使用を提案し、その同定のためのモジュール法を数種類発案した。まず、この方法をin silicoのデータで試験したところ、データのノイズの多さや複雑さを考慮すると、我々のピンポンアルゴリズムの統合的方法によって薬物と遺伝子の関連性が正確に解明されることが明らかにされた。次に、NCI-60細胞株の遺伝子発現および薬物反応のデータを用いて大規模な比較研究を行った。DrugBankおよび連結性マップ・データベースの情報により、ピンポンアルゴリズムによる薬物と遺伝子の関連性予測が他の方法に対してはるかに優れていることが示された。共モジュールからは、さまざまな薬物の作用機序に関する手がかりが得られ、治療の新しい標的が示唆される。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度