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粘液細菌Sorangium cellulosumの完全ゲノム配列

Nature Biotechnology 25, 11 doi: 10.1038/nbt1354

抗がん性代謝物エポチロンを含め、Sorangium属は粘液細菌から単離された二次代謝産物の約半分を合成する。本論文で完全ゲノム配列を示すSorangiumのモデル株S. cellulosum So ce56は、数種類の天然物を生産し、この属に特有の形態学的、生理学的性質をもっている。13,033,779塩基対からなる環状ゲノムはこれまでに解読された細菌ゲノムで最大である。全体としてMyxococcus xanthusゲノムとのシンテニーは認められず、両粘液細菌が予想外のレベルで分岐したことが示された。ゲノムには制御、特にこの株の複雑な社会的生活様式を支えていると考えられる翻訳後リン酸化に当てられている部分が大きかった。この調節ネットワークに含まれる真核生物タンパク質キナーゼ様キナーゼは、ほかのいかなる生物と比較しても数が多かった。ゲノムには二次代謝産物の遺伝子座17個、および産業利用が考えられる酵素多数がコードされていた。

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